10年後の日本の医療費はより上昇する

社会保障費の抑制、という言葉を最近よく耳にします。その中でも、医療費の抑制は、もうずいぶん前から課題になっています。しかし、現状のままでは、10年後の日本の医療費は、現在よりも上昇していくと考えられます。
その大きな原因のひとつが少子高齢化です。日本の平均寿命は85歳を超え、超長寿社会といわれています。しかし、高齢者の増加は、それだけ医療を受ける人口が増えることにつながります。加齢によって心身に疾病が出てくることは、予防することはもちろんできますが、ある程度は避けがたいことです。たとえ日本の総人口が減少したとしても、高齢者の人口が増えることで、医療費が増大するのです。また、平成12年に始まった介護保険制度は、平成18年の改正で、介護予防に力を入れることとなりましたが、これは要介護者が増え、社会保障費が増大するのを防ぐ目的もありました。しかし、今後、介護保険は重度の要介護者のみを対象と擦る方向になるため、障害が軽度の高齢者の選択肢が減っていくことになります。これも、費用増大の引き金の一つといえます。
そしてもうひとつは、高度先進医療が増えてくることです。医学の進歩は目覚しく、日々新しい治療方法が開発されています。保険の対象外となるものもありますが、それに伴う入院等では保険の対象となるものもあるため、これも医療費を増大させている原因のひとつです。また、医療費の多くを占めている薬品代も、社会保障費用の増加に影響しています。恒久的に薬に頼っている人が増えている他、薬品も日々新しいものが開発されています。ジェネリック医薬品の規制緩和などを進めない限り、医薬品も含めた医療費の増加は、今後も止まらないのではないでしょうか。

ページの先頭へ戻る